このエッセイコーナーはe-Towns発行人、北風秀明が日頃抱いている庄内への思いをエッセイにしたもののアーカイブスです。
(vol.15 e-Towns 2013年10月号掲載)
人間は年を経るごとに時間の感覚が短くなるのだそうだ。子供の時の1年と、大人になってからの1年では感じる長さが違うというのだ。体験した時間の総量が違うからだという。小学生の頃は1日は長く、学校に行き、帰ってから友達と遊び、テレビも見て、宿題もしてとすごく時間が長かったような気がするが、なるほど最近時間が早く流れて行く感じがするのはたくさんの時間を経験したからなのだと妙に納得する。
携帯電話とインターネット社会になってからは特に息つく暇もない。「十年一昔」と世の中の移り変わりが激しいことを例えて言うが、この調子だと三年一昔と言い換えても十分に意味が通じるかもしれない。
ただ、40歳を過ぎて面白いことに、頭に残る記憶は昔のことほど鮮明に思い出す事ができるようになってきた。10年前にイータウンズ第1号を発行した時のことは今でも手に取るように思い出すことができる。若干31歳の若造がたった一人で発行するタウン誌にたくさん応援してくれる人がいた。あの時の「頑張れよ」の声は、今でも時折僕の周りの空気を震わせる。
この度イータウンズが10周年を迎えるにあたって、毎号スーパーやお店で手に取ってくれる読者の皆様、編集室にメッセージを送ってくれるファンの皆様、また、イータウンズを評価してくれてクーポンや広告を掲載していただく広告主の皆様には、ここまで育てていただいたことに本当に感謝しています。この場を借りて心よりお礼を申し上げます。
これからは地方の時代だと思います。都会では感じることのできない幸せを地方では普通に感じることができます。私たちはここに暮らす人たちで地方で暮らすことの価値を共有し、豊かに暮らすことの意味を共に感じながら庄内ライフを楽しめるような情報誌作りを目標にしています。
10歳と言えば小学4年か5年生。まだまだ子供です。少年よ大志を抱けとの言葉通り、小さいながらも志を持って、私たちスタッフで一丸となってこれからもイータウンズを発行していきたいと思います。今後ともご愛顧どうぞよろしくお願い申し上げます。