このエッセイコーナーはe-Towns発行人、北風秀明が日頃抱いている庄内への思いをエッセイにしたもののアーカイブスです。
(vol.13 e-Towns 2013年8月号掲載)
自分で作った設立登記申請書と定款などを持って法務局に行き、初めてのことだったので担当の人に色々教えてもらい、ようやく受付が完了して、株式会社アイディアが出来たのが10年前の7月17日でした。最初はたった一人きりだったので、会社にするつもりはなかったのですが、法律の改正でゼロ円から起業できることを知り、何だか勢いで作ったような感じでした。しかし会社にしたことで自分の本気度が「北風くん本気で何かやるあんのー」という風に多くの人に伝わってくれました。
会社は出来たと言っても、気持ちだけで事業は成り立ちません。右も左も分からず、しかもたった一人きりでしたので随分心細い思いをしました。そんな時期に声をかけてくれ、仕事を依頼してくださったお客様のことは、本当にありがたかったです。庄内の人は人情が厚く、困っている人を皆が応援してくれると言われますが、私はそれを身を以て体験できました。
同じ年の10月創刊の「いーたうんず」は最初、小さな事務所で簡易印刷からスタートしました。当時庄内にも大型店舗がどんどんやって来て、地域に根ざしたお店が苦戦していました。庄内の特徴を活かして、個性あふれる商品やサービスを提供している地元の店の情報をもっと多くの人に知ってもらい、利用してもらいたい。そうすれば地域がもっと元気になるとの一心でした。
あれから10年。
先日、荘内神社の石原宮司に、会社の神棚に祝詞をあげていただきました。その時に石原さんが、「感謝」ということを話してくれました。そのお話がとても胸に響きました。
思い返せば、会社・仕事を通してスタッフ、お客様、読者の皆様と多くの出会いがあり、辛いこと、大変なことも多かったですが、それ以上のうれしいことがありました。このように今創業10年を迎えられたのは、人との関わりの中で生かされてきたからなのだと思います。この場を借りて心より感謝申し上げます。そしてこれからも庄内の元気のために、少しでも役に立てるように、スタッフ一丸となって頑張っていきたいと思います。この先も株式会社アイディアをどうぞよろしくお願いいたします。