このエッセイコーナーはe-Towns発行人、北風秀明が日頃抱いている庄内への思いをエッセイにしたもののアーカイブスです。
(vol.21 e-Towns 2014年5月号掲載)
4月27日から縁あって、月山高原ふれあいハウスのレストランを運営することになりました。
僕は鶴岡三中出身で、教室からいつも月山が見えました。東京の大学に行ってたまに地元に帰って来た時は、月山を見ると「ああ、帰って来たなあ」という気持ちになりました。大人になって仕事をして車で回るようになって、庄内の様々な所から見える月山に出会いました。
季節や天気によって表情を変える姿は、時にまるでこの地を包み込んでいるかのように大きく見えることがあります。
先日4月14日は、とても空気の澄んだ夜でした。立て込んだ仕事を終えて帰宅途中、次の日は満月ということもあって月の光がとても明るく、夜遅いというのに不思議と疲れを感じません。ふと目をやると、まだ雪の残る月山が月の光を浴びて遠くに輝いていました。あまりの幻想的な景色に、近くまで行ってみたくなりました。僕は高原に続く街灯のない夜道を行き、素晴らしい月山に出会ったのです。車のエンジンを止めて外に出て大きく息を吸い込み、しばらく一人佇みました。静かな、静かな夜でした。
Uターンして坂を下ると、何とも綺麗な庄内の夜景を一望できました。僕は宗教的なことは分かりませんが、この山はこういう風にこの地を包んでいるのだなあと素直に思ったのです。
月山で庄内の良さを伝える仕事ができることは僕にとって願ってもいない幸せです。こらから多くの人に魅力を発信していきたいです。