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What is イクボス〜誰もが思い切り挑戦できる職場環境づくり〜 の対談、全部見せます!

安藤 哲也氏と佐藤 航理事長との対談

鶴岡青年会議所が主催し、4月24日(火)に出羽庄内国際村で行われたWhat is イクボス〜誰もが思い切り挑戦できる職場環境づくり〜での講師、安藤 哲也氏と佐藤 航理事長との対談をe-Towns誌面では載せきれずカットした部分もすべて隠さず紹介します。

 

安藤:よろしくお願いします

佐藤:公演中も少しお話しされてました、部下のワールドカップ1ヶ月休暇を認めたって。それってありなんだなと驚きました。

安藤:普通は20日間じゃないですか。3週間とかね。1週間無休になるけどって言ったら「全然いいです」って。

佐藤:お互いそれを理解しあってやれるっていう関係性をずっと作ってきたからできることですよね。

安藤:彼は仕事をしたなくないって言ってるんじゃないんですよね。休暇の前に自分のやるべきことはきちんとやって納品して、自分の人生にとって大事なサッカーというものに時間を使いたいと言っているだけなんです。

佐藤:なるほど。

安藤:僕はサッカーやってないから自分だったらそうは思わないんだけど、彼にとっては大事なことじゃないですか。それを認めてあげる。

佐藤:認めてくれる上司がいれば非常に素晴らしいことかなとは思うんですけど、なかなかそれは言い出しにくいことだと思うんですが。

安藤:やりたいことすることと職責を全うすることはセットなんですよ。ただ休んでいいよじゃなくて、休むんだったらそれに見合う仕事をちゃんとやってねって僕はいつも言ってます。または戻ってきたらちゃんとそれをリカバリーしてね、ってことですよね。


佐藤:鶴岡市も共働き率全国1位、3世代同居も1位といわれていて、女性が働きやすい環境ではあるのかなと思うんですが、どう思いますか?

安藤:一見恵まれている感じはしますけどね。ただやっぱり管理職比率は低いですよね。
民間でも役所でも議員さんでもそうだと思うんだけれども、やっぱり日本全体がそうじゃないですか。女性の活躍が少ない。
女性のキャリアを伸ばして所得を伸ばしていく、そして女性でも会社の社長になれるようなそういう仕組みづくりをしていかないとなかなか経済が戻らないんじゃないかなと僕は思いますね。

佐藤:確かに今、そういう機運が高まっていますよね。

安藤:この話は男性が劣っていると言っているんじゃないですよ。男だから女だからじゃなくて、能力のある人がそれを求めればちゃんと達成できる社会のほうが良いよね。そういう話です。

佐藤:それを引っ張って行くのがイクボスだっていうことですよね。

安藤:ノルウェーの会社員は男性も9割が育児休暇を取得します。先日、東京で国際シンポジウムが行われました。そこにノルウェーの山形と同じ規模ぐらいの町の会社の社長が来ていたんです。彼女は4番目の子供を45歳で産んでいて、そのときに新しい事業プランがあった。
そのときそれを夫に話したら、「じゃ僕が1年半育休とるよ」といってダンナがとってくれたおかげで早く職場復帰できたんです。
だから事業成功させて今では世界で商売できるような企業になっている。
ノルウェーって法律で株式上場するときにはその会社の役員の4割が女性じゃないと上場を認めないという制度があるんです。
上場ができないってことは、社会的企業として認められないってことですからね。

佐藤:女性の活躍を支援することが、社会的企業として認められるための条件なんですね。

安藤:そこまで進むには日本はまだ時間がかかると思うんだけれども、僕が育児を担って妻のキャリアが伸びたように、家庭レベルではできるんです。そのために男性の長時間労働と仕事終わって毎日飲み続けるのをやめたほうがいいですよという提案をしています。飲むのが悪いって言ってるわけじゃなくて、ほどほどにしたほうがいいですよということです。

佐藤:家庭でも会社でも、各々が互いをおもいやる、いわゆる「おたがいさま」の精神が必要ということですね。

安藤:そうです。そのほうがハッピーでしょう?未来像が見えている。両方とも我慢してやっているのは辛いですよね。毎日が笑顔にならない。笑顔のない親を見ている子どもも夢も希望も持てないじゃないですか。楽しくいきましょう。楽しく合理的に儲かる仕組み。僕はこれが一番ハッピーだと思います。


佐藤:今日お話しいただいている中で出てきたロールモデルとなる中小企業は特別な会社だと感じている人も多くいると思うんですが?。

安藤:ああいう会社が日本中に実はあるんですよ。『中小企業だからライフワークバランスやイクボスなんかは無理』なんて言う人もいますけど、ちゃんとできてますから。100社ぐらいできてます。

佐藤:実際、経営者の皆さん、週休2日を完全にやって有給を100%与えて、本当に業績が上がるのかと不安に思っている方がこの中にたくさんいるんじゃないかと思いますが?

安藤:生活が安定しているから働く意欲が生まれ、サービスの質が上がるんです。

佐藤:なるほど。それぞれの一人一人の社員の力を100%出し切るためにどうするかという視点からの考えなんですね。

安藤:そうです。レベルアップするしモチベーションも高まるし、サービスが向上し顧客も満足する。顧客満足の前にまず従業員満足をやったらおのずと顧客満足も上がって行きます。

佐藤:そのためにはまず部下の声を聞ける上司イクボスということですね!

安藤:聞くっていうのは単なる門構えの『聞く』じゃなくて視聴の耳へんの『聴く』。漢字の中に心が入っているでしょう?
心を持って聞く部下のメッセージを聴く。心の声を聴く。会話じゃなくて対話をする。
自分の哲学を語る上司、自分の今までの生き様や自分の仕事の情熱を語れる上司、そういう上司に向き合うと、部下も本当のことをしゃべるんです。親子もそうなんだけどね。学校の先生と生徒もそうなんだけど、これが本当のコミュニケーションですよね。

佐藤:そうですよね。そういえば、居酒屋に行っても仕事の話はしないとおっしゃってましたけど?

安藤:居酒屋が会議室みたいになっちゃってたのは男性だけでやっていた時代の名残ですからね。残業代がつかないのに「あの件だけどどうなったよ?」ってまたビール飲みながらやっている。今は子供がいる女性が増えたから、女性は子供がいると居酒屋に来れないでしょ。“飲みニケーション”に。そうすると不満が出てくるんですよ。「また居酒屋で決まったんですね」みたいな感じで。

佐藤:それはもっともですよね。

安藤:だからそれはダメだなと思って。一切それやめました。

佐藤:今はランチのときにミーティングとかをされてるんですよね。

安藤:飲みニケーションよりランチケーションという方針で。女性でも男性でも短時間勤務の人でもランチの時間は平等にあるじゃないですか。僕は毎日いろいろな部下と「ちょっとご飯食べに行こうよ」っていって、その時にいろんなことを聞いてました。なんでもいいから言ってみろって言わないと話してくれません。部下から本音を聞き出すポイントは、上司から自分の弱みを言うことですよ。

「今家に受験生いてカミさんカリカリして参っちゃうんだよ」って僕言うんですよ。
そうすると部下が「実はうちも…」って始まるんですよ。この人には言っても大丈夫なんだ、同じような悩みを抱えているんだって。上司の方から同じ目線に降りて話をする。人間誰しも色々悩みがあるじゃないですか。別に上司だから全てがうまく行ってるわけじゃないんで。それを赤裸々にっていうか自分も弱い人間なんだって言ってあげることで部下も本当の意味で頼ってくれるんだと思います。自分はの経験ではそうでした。


佐藤:行政との関係ということで少しお話をお伺いしていきます。子育て支援、少子化対策といった視点からですね。
山形県がイクボス宣言をして、これから鶴岡市もぜひイクボス宣言する方向で検討していただきたいなと思っているんですが、企業はどういう風にアプローチしていけばいのでしょうか?

安藤:官民合わせてやっているところは、同盟を作ってやっています。山形県ではそのようにやっていますけども、市単位では、市内の企業さんと商工会議所とか経営者業界とかJCさんもそうだけど、そういった団体と役所が同盟を作って同じように働き方を変えていきましょうっていう取り組みをしています。具体的には役所と取引のある業者に夜6時半にもってこいじゃなくて5時までに持ってきてくれとか。ルールをそこでがっちり変えて行くようにしていますね。

建設業界もそうですよ、やっぱりね。元請けだけが楽で下請けが労働時間が長い。休みもない。これじゃダメで、みんな一斉に必ず休めるっていう仕組みを作るという動きに今なってきている。そうじゃないとに対応できないもの。

佐藤:宣言したからやらなきゃいけない。やると公言するということが必要だということですね。

安藤:そうですね。『人口減少に対応するために鶴岡市はこれやってます!だから企業の経営者の皆さんも一緒にこれで変えていきましょう!それで子供が増えることが将来我々の全部メリットになります』ということを市長がちゃんと語ることですよ。

佐藤:イクボス同盟に加盟している山形県内の200社以上の企業から参加している方もいると思うのですが、会社の中でのギャップというか、社長は「入ってきよ」で終わっちゃう会社もあると思うんですが、そのあたりに関してはいかがですか?

安藤:パフォーマンスだけで終わっちゃってる会社はありがちですよね。危機感がないんだと思います。うちの会社このままでいいのかとか、なんで最近若手が取れないのかって悩んでいるんだったら制度を変えて会社側の体制を変えなくちゃ無理です。「まだ大丈夫だようちは」って心の底では思ってるんですよ。でも残念ながら働いてくれる人はこれからどんどん減りますから。

佐藤:間違いなく人口減りますよね。

安藤:なので、人口が増えるという観点からは経済は伸びません。その観点だと人口減少にともなって給与所得税減っていきます。
視点を変えて一人当たりの売り上げを去年2000万の人がいたら今年は2500万、3000万に上げていかないといけません。これと同時に無駄なコスト、残業代は削っていきます。さっき紹介した会社はみんなやってます。そうして、その残業代を削って得た利益をちゃんとボーナスや基本給で分配しないと、人はついてきません。残業するなって言っているのは、会社がお金を払いたくないからだと思っている人はたくさんいますから。ちゃんと出た利益を基本給に分配していくってことをイクボスはやります。
これこそが経営ですよ。

佐藤:例えば上司に何を言っても納得してくれない。どう伝えても結局上から全てぺしゃんこにされる。俺はイクボスになりたいという中間管理職の人がいたとき、そういう時ってどうすればいいのでしょうか。現状として60代、70代の経営者が多い企業もたくさんありますし、そういう経営者の人には受け入れ難いかとおもうんですが。

安藤:今回配布した資料をこのまま使って欲しいですよ。『このままで行ったらうちの会社の未来はない。鶴岡市の未来もないですよ。お互い共通の目的として、個人の働き方や豊かさを変えていくことで地域も社会も良くなっていきましょうよ。そのために何ができるか一緒に考えましょうよ!』というべきです。

そのように僕は言ってました。当時楽天の部長でしたけど役員に言ってました。
『なんでこんなにメンタルヘルスで倒れている奴がいっぱいいるんですか?』『これ勿体無いですよね。高い採用コストかけて採用しているのに』って。
調べてみたら長時間労働でボロボロになってる人、家庭がおかしくなってノイローゼになってる人、いっぱいいましたよ。
これはその人たちのせいじゃないんですよ。働かせ方に問題があるんです。

佐藤:どんどん伝えて、伝え続けていくしかないと言うことですね。

安藤:伝え続けていかないとなかなか急には変わらないです。50代以上の方は昭和の成功体験があるので。そこから簡単には脱却できないですよ。これから人生100年時代。マルチステージという新たなモデルが変わってきている。保険の商品で人生100年時代の金融商品が出てますよね。

これから教育もそうなっていくし働き方もそのように変わっていく。

食べていく仕事、本業のことを僕は「ライスワーク」と名付けていて、それと対になる「ライフワーク」っていうあまりお金はもらえないんだけど家族や地域から喜ばれる仕事も必要だと考えています。僕も、東北の被災地に50回くらいボランティアで行って子供達に本を読んでるんです。これは無償なんだけど子供達の笑顔が返ってくるから、ライフワークになっている。

「ライスワーク」と「ライフワーク」この2つを持ってたほうが、誰かのために生きてるという充実感を持って何か楽しく生きていける気がするんです。「ライスワーク」だけの人だったら会社のため生きちゃってるわけですよね。あるいはに上司のために。そんな人生面白いかなって僕は思うんですよ。個人の価値観だから、強制はしないです。でも僕は嫌なんですそういう生き方は。
だから子供の学校に入っていったし、本ていうツールを使って地域に出て読み聞かせをして、今は地域にパパ友が40人、ママ友70人、ジジ友20人、ババ友30人ぐらいいますからね。(笑)僕が山形に行っている時に東京に首都圏直下型(地震)がきたら僕の家族を守ってくれるのは地域の人たちだから。かけがえのない関係資産。

佐藤:働くだけでは得られないものの価値をみつけたんですね。

安藤:鶴岡で生まれて鶴岡で育った人にはそういう仲間がいるじゃないですか。鶴岡で生まれたんだけど東京にいる人にはそういうつながりはないんですよ。特に男性は職場と家の往復だけやってると絶対そういうの関係資産ができないから。あっという間に定年なってどうすんの?って問題が出てくるわけですよ。


佐藤:今、みなさんがそれぞれ将来どういう風になりたいかってしっかりイメージしていると思いますが

安藤:今はひとりひとりが健やかでいることを前提にしていますが、病気などの例外もあります。
ただ今の時代、基本的に何もなければ結構な年齢まで生きちゃうんですよ。
なので寿命が長くなって、定年後の時間が長くなるにしたがって、基本的に今の働き方でいいのか?あるいは本業だけでいいのか?家族と地域の関係はこれでいいのか?ということを少し問題意識を持ってちょっと考え直していく行っていうことが多分はじめの一歩だと思います。

佐藤:これからどんな未来を自分がどんな生き方をしてどっちに向かうのかということも含めてイメージをしっかり持つことが重要だということですね。

安藤:働くこととかお金を稼ぐことは幸せになる手段でしかありません。目的は違いますよね。家族でいる幸せな瞬間とか仲間と何かやる達成感とか何か社会の課題を解決する時の何か自分の想いが届いたこととか。そういうことが人間必要で、そういうものを数多く持っている人生の方が僕は豊かだと思うんですよ。
そのために仕事だけしたって無理ですよね、24時間増えないから。働き方を変えて時間を作って、自分の全く今まで知らなかった世界に行ってみるとか、副業してみるとか、いろんなことを経験して初めて新しい資産が僕は貯金できると思うんですよ。

佐藤:そういったことを目指している背中をしっかりと子供達に見せて、繋いでいくと。

安藤:そういう大人が増えれば子供達も希望をもてる。大人達がそうなるためには職場の働き方を変えないとダメです。だからイクボスが必要だって全国で公演しています。

佐藤:そうですね。まだまだお話ししたいところなんですが、だんだんお時間なのですいません。安藤さん、今日はありがとうございます。

安藤:ありがとうございました。

 

気になった方は、下記のウェブサイトから!

イクボスプロジェクト

ファザーリングジャパン

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