宝谷には何度かそばを食べに行っていますが、今回はそばについて地域の取り組みを聞くべく、うかがいました。
ふるさとむら宝谷運営管理組合の組合長の本間与一さん、そば処鶴岡振興協議会会長の森薫さんのお二人にお話を聞きました。
先に、「そば処鶴岡振興協議会」について聞きました。現在宝谷の組合の森さんが会長を務めていらっしゃって、ふるさとむら宝谷をたずねました。
10年ぐらい前から発足し、鶴岡がユネスコ食文化創造都市として登録を受けたことをきっかけに米の転作作物として有力な、そばの生産と消費を拡大するための団体として組織されたそうです。現在生産7団体、飲食店18軒登録しているそうです。
生産者とそば屋さんの連携で地元のそばを地元のお店で提供して地産地消を促す活動が徐々に浸透してきて、生産者に良いものを作ろうという自覚が出てきて、鶴岡市内のそば屋さんで地元のそば粉を使ってくれることが増えているそうです。現在の課題は、鶴岡市に一つしか製粉工場がないことです。大量に製粉することができないそうで、この問題が解消されれば、そば屋さんの多岐にわたるこだわりやニーズに対応できるそば粉をスムーズに提供できるようになり、さらに消費を拡大できるだろうと話していました。
さて、宝谷のそばの取り組みについて聞きました。
国の減反政策により転作作物としてそばを栽培し、平成9年に宝谷そば生産組合を結成、耕作放棄地の解消に努めてきたそうです。当時始めたのは7名だったそうです。翌年、農業体験施設「ふるさとむら宝谷」が設立。次の年には隣接するそば屋をオープン。過疎化の進む地域でそばを中心に地域おこしを進めました。
宝谷の集落で育てられているのは「でわ宝®️」という品種。これは「山形BW5号」として「でわかおり」と「常陸秋そば」を交配し収量が多く倒れにくい系統を、県が育成した品種だそうで、風味がよく粒も大きく丈夫だそうです。宝谷地区は櫛引地域でも一番の高地にあり、山里の地の多品種と交配しにくい利点を生かし、この品種だけを守り育てることを決めたそうです。平成26年から栽培を始め、宝谷地域全域でこの品種を栽培、愛称を一般募集し、「でわ宝」に決定、令和元年に商標登録し、ブランド化、地域おこしの柱となりました。
お店にポスターが貼ってありましたが、「でわ宝®️」素敵な名前ですよね。まさに集落の宝ですね。
現在は土地の所有者を含め、そば栽培に関わるのは43名、わずかの面積から始めたそば畑は約34haにもなったそうで、年々拡大しているそうです。
刈り取りや乾燥までの調整は法人団体に所属する10名で行っているそうです。
いいものを作れば話題となり、消費が上がるので、やりがいがあり頑張っているとのことです。
令和3年度、総務大臣表彰「ふるさとづくり大賞」を受賞し、まちおこしのモデル地域として注目されるようになりました。
ふるさとむら宝谷の施設は、宿泊もでき、農業体験やそば打ち体験をすることができます。
また、「ふれあい広場」キャンプ場にはピザ窯が設置され、テントを張ることができます。
キャンプ場からは田やそば畑の風景を見下ろすことができます。
そばの花の時期には「お花見カフェ」を行うなど、地域行事にも使われます。
私もお花見カフェの日、行ってまいりました。入場料500円でそばスイーツをいただきながら、三味線の演奏を聞き、今年のそばの生育状況などのお話を聞きました。
おいなりさんのなかにおそばが入っていました。おいしかったです。
帰りにお土産でそばかりんとうやそば子ちゃんのクッキーを買いました。
そば屋さんや、産直あぐりさんでそばの商品も販売しています。そば粉も販売していますよ。乾麺も商品化、鶴岡市の産直数店でも見かけました。
さて、お待ちかねの肝心のそば店のおそば。
時々食べに行くのですが、地域で取れた季節の野菜が天ぷらでついているのも楽しみの一つです。
小鉢や漬物も丁寧に作ってあります。
おそばはでわ宝®️100%を使用した二八そば。石臼で挽いたおそばを農家のおかあさんたちが手打ちしているそうです。
少し太めの田舎そば、たれもおかあさんたちが考えたオリジナル。とてもおいしかったです。
待っている間に出してくれるそばスイーツ、そば茶もうれしい味です。
天ぷらなしもできます。お店は土日祝日のみの営業。3日前まで5名以上の予約があれば平日も対応してくれるそうです。
宝谷地区では、そのほか、地域イベントを季節ごとにやっていますので、
参加してみてください。まずは新そばの時期、新そばまつりがあります。2022年。
でわ宝®️新そばを1食500円(そば、たれ、薬味のみ)で食べられるイベント。地域の特産品の販売もあるとのことです。
ぜひ行ってみてください。